盛岡城の古材をテーブルに再生:制作風景

それぞれの写真をクリックすると拡大写真が表示されます。

上の写真が、お預かりした棚板の天板と側板です。天板には立派な筆返しが付いており、手前側は漆喰壁で塗り込めていたものと思われます。漆喰の名残の白い粉が付いておりました。 少し離れてみましょう。こちら側が壁面に塗り込められていた方。向こう側が正面です。右側の垂直になっている板が天板ですので、本来は左写真のような向きになります。

内側から見た写真。下になっているのが天板で、天地逆になっています。引き違い戸が付いていたようで、戸溝が2本あり、高さの中程には棚があったようです。向こうの側板に棚を埋め込んでいた跡が見えます。 天板は側板に対して蟻型ホゾの吸付桟組で入っていました。基本に忠実で、しかも手堅い職人の手による仕事です。

天板の上面です。 天板の筆返しも、蟻型の吸付桟工法で組み込んでありました。機械のない時代に、手道具だけでこれだけの仕事ができたことに敬意を表します。

飾り棚の解体が終わりました。天板の裏には戸溝が、側板の内側には棚板のホゾ跡が見えますね。

さすがお城で使う飾り棚ですから欅の銘木を使用しています。右の写真、側板には表面割れが数本見えます。

側板の割れを埋め、割れ止めの契りを入れる。契りには黒檀を使用しています。

割れ埋め、割れ止めを施して、天板と側板をつなぐ蟻ホゾを加工します。まず、手鋸(てのこ)で挽き込み、鑿(のみ)でさらいます。

この二枚の板を蟻接ぎします。

蟻接ぎの圧締行程です。接ぐ前の蟻ホゾが記録されていなかったことが残念でした。

向こうにある角材が脚材。手前で加工中なのは周囲で脚を補強する幕板です。

二枚接いだ鏡板の木口にホゾを作り、妻手の框に固定します。

鏡板を中央にして、四方を框組みで固める工程です。

四方の框組みが固まったら、脚を組み込むホゾ穴を加工します。鏡板を接いだ部分は、このように裏側に横方向に蟻溝を掘り、吸付桟で補強しています。

鏡板に四方框組み、裏面に補強の吸付桟、脚、補強の幕板を固定。これで木工の工程は一段落です。一昼夜このままにして、翌日、細かい部分をさらえば木地完成です。

漆工室です。作業台の上で裏面、周囲を塗り、最後に天板に取りかかっています。

1回目を塗り終え、擦り込み、拭き取りを終えたところです。

この 塗り→擦り込み→拭き取り という作業を数回繰り返し、やっと完成となります。

蟻接ぎの部分が見えないので、接写しました。ここまで近づけばわかりますが、木目がほぼ続いているため遠目には接いでいることさえほとんどわかりません。拡大前の小さな画像だと普通の一枚板に見えるかもしれません。
わかりやすく、接いだ部分に黄色い線を描いたものがこちらです。なお、右が左に比べて大きく見えるのは斜めから撮影したためです。

テーブルの裏面です。お預かりした飾り棚の戸溝を2本残しました。盛岡城(不来方城)の飾りだった証拠となるでしょう。

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