岩泉純木通信Iwaizumi Jyunboku Times

9/14

いよいよ9月も、中旬に差し掛かってきました。
関東は相変わらず暑いようですが、岩泉や、岩手の多くの地域では、
朝夕などは20度を下回り、半袖では寒い日が出てきました。
窓を開けて半袖で寝た日には、風邪必至です。

昨日から今日にかけて、天気は雨。明日も雨予報。
幸いにも、台風のような大雨ではないので、二次災害の危険は少なそう。
それでも、崩れかけたところがさらに崩落したり、
かき出して積んでおいた泥が崩れてしまったりと、
大変なことが起こりかねません。
引き続き、警戒が必要です。

心強いのが排水設備!
先日の投稿で触れましたが、ご近所の方々のお力もお借りして、
工房横の排水溝が貫通しました!
これによって、ちょっとやそっとの雨は、工房へは流れ込まなくなり、
ついでに、排水溝に残った泥も、ある程度流されてくれそうです。
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さて、今日は残念な話題をいくつか。
結果として、社用車は2台とも全損、廃車となってしまいました。
ハイエースはタイヤの上くらいまで、
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トラックは座席の上くらいまで、
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水が入ってしまって、どちらもエンジンが、完全に泥水に浸ってしまいました。
ハイエースは私の担当車で、購入から9年ほど、私の担当車になってからは5年、
南は神奈川から、北は青森まで、いつも一緒に走った相方でした。
去年は展示会のたびに、文字通り夜は寝食をともにして、1年間で40日以上、
この中で寝ましたっけ。

後付けのETC車載器や、ドライブレコーダーなどは、取り外しておきます。
この配線もネットを見ながら、四苦八苦しながら、内装を外して取り付けたもの。
思いがけなく、早い段階での取り外しとなってしまいました。
バックカメラを付けたいと思いながら、まだ付けていなかったのが、
まだマシといえるかもしれません。
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とりあえず、今後はトラック1台だけで、事業再開を目指します。
業者さんを通じて、良い中古トラックが見つかりそうだったんですが、
業者間取引のため、別の業者さんに先を越され、間に合わなかったとのこと。
でも、「中古車選びは業者選び」と言われるそうで、信頼できる業者さんに、
ちゃんとした車を選んでもらうことが、長い目で見れば安心です。
今後はその業者さんに絞って、引き続きお願いするつもりです。

夕方に、乙茂地区に足を伸ばしました。
道の駅や、グループホームが被災してしまったところです。

道の駅には野球場が隣接されていて、10月には、国体の軟式野球の会場に
なる予定でした。私も、小学生の頃に、ここで野球をしたことがあります。
右奥に見える青緑のトラックは、運転席の前に龍の顔がくっついた、
イベントトラック。龍泉洞の水などを運んでいたものです。
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国体を前に、新しく整備されたサブグラウンドと、手前は駐車場。
どれだけ濁流が流れたんでしょうか、アスファルトがめちゃめちゃです。
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道の駅近辺は、国道ですら、人の背丈を超える水が流れました。
近くの家は、天井まで濁流に飲み込まれました。
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写真のやや左上、山の緑と、茶色い土砂の境目に見えるのが、川です。
この川が、これほど広い面積を埋め尽くすほどに増水し、さらに右上を通る道路を、
1メートル以上の深さまで水没させる。
地元の人間ですら想像だにしなかった、空前の大災害でした。
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そんな中、このような濁流で崩落した道路が、工事業者さんの、
24時間体制での眠らぬ作業で、次々に仮復旧しています!
盛岡と岩泉を分断していた、国道455号線二升石-落合間の崩落箇所が、無事に復旧。
驚くことに、ダンプが止まっている、上の元の道ではなく、
パワーショベルがいる、下の埋め立てたところが、仮復旧の道路なんだそう。
ここを片側通行で通しながら、上の道を直し、今度は上の道で片側通行して、
その間に下の道を土盛りして、かさ上げしていくようです。
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土木業者さんは、各地から駆けつけ、
また地元の業者さんは、被災翌朝には、もうあちこちで復旧に取り組んでいました。
終われば、なかなか声をかけられることのない仕事。
町民の全て、そして岩泉町にゆかりのある全ての人の感謝の気持ちが、
伝えられずとも、ご尽力いただいた皆さんに向けられています。
ほんとうにありがとうございました。

道路といえば流通。流通といえばトラック。
展示販売会では、たくさんの家具を運ぶことになり、うちの車ではまったくたりません。
そこで、運送業者さんに運んでもらいます。
昼に来客があって、出てみたら、お世話になっている運送業者の社長さんでした。
聞けばわざわざ、道の悪い中を、遠く岩泉までお見舞いに来てくださったのだと。
たくさんの新鮮なキャベツを差し入れくださいました!
スタッフでありがたく分けさせていただき、残りは支援物資として寄付いたしました。
お名前は・・・出しちゃって大丈夫でしょう、一戸の中山運送さん、
ありがとうございました!またトラックお願いできるよう、頑張りますよ!!
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ハイエースとトラックがダメになってしまったことは書きました。
とはいえ、片付けには車が必要です。
職人の一人が軽トラックを持っているので、毎日それをフル稼働させてもらってます。
でも1台だけでは、はかどりません。

そしたらなんと。

ハイエースを1台、貸してくださるという打診をいただきました!
これも名前を出させていただきますが、住田町で日本一の林業を目指していらっしゃる、
松田林業さん。取締役の昇さんが、被災して電話がつながって早々に、
このお話を持ちかけてくださったんです。ご自身だってお仕事で使う車なのに。
しかもです、よく見たら新しい車なんです。それをきれいにして、
メンテナンスして、万全の状態でお渡し下さいました。
私にはこんなことができるかなあ。もし車を貸せたとしても、一番古いのにするでしょう。
ほんとうに器の大きい、懐の深いかただと、前から思っていましたが、
それどころの話ではなかったと、心の底から感動しました。

さらにお話として、
「俺らは仕事で貢献するのが一番だから、まずは一刻も復活できるように頑張れ!」
という激励もいただきました。
おっしゃるとおりです。
ご恩返しも、まずはこのハイエースがなくても大丈夫なように、片付けなどを
終わらせること。そして、次のハイエースが買えるような状態に戻すこと。
それを目指していきます。
ここまで来るにも、たくさんの方々のお力添えがなければ、無理でした。
いただいたお力をさらに力と元気に変えて、これからも進んでいきます!
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※青い服が私、赤い服が松田さんです。